住みこなしへの第一歩はその扉から-開き勝手編

住みこなしへの第一歩はその扉から-開き勝手編①- (1999年にホームページで紹介したダイジェスト版です。)

内装プランニングで大切なこと、それは間取りに合ったドアの付け方を心掛けることです。
例えば角に面した2部屋の外開きのドア、同時に利用すると出会い頭にドア同士が接触してしまうケース。
狭いスペースで内開きのドアをつけるとどうでしょうか。室内での物の移動は不便になり、使い勝手も悪くなってきます。

こうしたトラブルを避けるにはドアの開き勝手を正しく設定する必要があります。
ドアは間仕切りとしてはもちろんのこと、各部屋を機能的に連結することにも大きく関わっています。
動線を妨げない開き勝手は、住みこなしへのパスポートと云えるかもしれません。
室内ドアの開き勝手は、開閉パターンと吊元(つりもと)、ドア開放時の扉寄せ方向の組み合わせによって8タイプに分けることができます。
開閉パターンは、開き戸、引き戸、折れ戸の3通りあります。
開き戸は蝶番(ちょうつがい)部分を軸として回転する方式で、引き戸はドアを左右にスライドさせて開閉する方式です。折れ戸はクローゼットやフリーオープンの間仕切りなどでみられるように、2枚で一組みとしたドアを折り畳んで使う方式です。
吊元は開き戸で用いられる用語です。これはドアの開閉軸を左右どちらにするのかを指すときの表現です。ドアの左側を軸として回転させる場合は左吊元、右の場合だと右吊元と呼びます。
ドア開放時に扉を寄せる方向については、開き戸は前方に押すか手前に引くかの push or pull になるため、内開・外開といった表現を用います。引き戸や折れ戸タイプは左右のどちらかに移動するので、それぞれ左引・右引、左折・右折といった言葉で表わします。

ところで、玄関ホールとリビングの間に左吊元内開の片開きドアをつけたいとします。
この場合は設計図面上どのような開き勝手で表示されていると思いますか?実はわが国ではドアの開き勝手の表示方法が公に設定されていないため、図面上の表示記号については、人によって解釈が異なるケースがあるのです。
開き勝手は住む上でとても重要な取り決めです。「こんなはずではなかったのに・・・」そうならないためにも続きをどうぞ。