藤沢市湘南台に構えた新工房、革靴職人の靴屋。
「革靴職人として独立して12年。はじめは藤沢市内の小さな店舗で開業しました。革製品の魅力に取りつかれて今日まで至ります。今年、現在の地である湘南台に工房付きの新居を構え新たな気持ちで挑んでいます」
(オーナーの田中様)
(工房のたくさんの種類の革)
「通常、靴の型は木型である程度かたちどり、それから革を盛って削りとっていくという作業をするのですが、ここでは、靴型としては珍しいロウを使って型をつくっています。ロウは削ったりの微調整ができるし、最も良い点としては熱を加えることで溶けるので再利用が容易である点にあります」
(めずらしいロウの靴型)
個性豊かな革の魅力
こちらでは、注文に応じて革靴を作っていますが、革靴製作教室も行っています。約3~4カ月をかけて、生徒さんの足にぴったりで素材選びからデザインまで生徒さん好みの靴を生徒さん自身で手掛けています。中には生徒さん自身が革を持ち込まれて靴づくりに励む方もいらっしゃるとか、、、。
革はもともと平面的な素材ですが、延ばしたり縫製することによって立体的な造形物に代わっていきます。
(革の延ばしや縫製には欠かすことのできない専用の道具)
(平面の革が延ばしと縫製によって徐々に立体的になっていく)
(完成に近づき靴と靴底の圧着を施す特殊な装置)
(靴づくりには欠かせない自在ミシンなど)
また、革は染色によっても個性的になります。
染色しないナチュラルな革も、空気や湿気に触れることによって、どこをとっても同じもののない個性豊かな素材に代わっていきます。まさに、置いているだけで経年変化していく素材です。
(染色のサンプル。染色をすることで革の表情も変わっていく)
(こちらは染色なしのナチュラルカラー。これから履きこなして空気や湿気に触れることでより味わい深くなっていく)
革靴職人と木製玄関引き戸
「工房兼住宅を計画しはじめて、家づくりについて勉強をしました。様々な新築完成見学会にも足を運びました。ぼんやりとではありますが、工房の入口ドアには「木製」をはじめから決めていました」
そんな中、とある新築現場でユダ木工の玄関ドアの存在を知り、早速カタログ請求をされたそうです。
自身が扱う革も木製品も、きっと同じだと思って、との事。
(工房内からのユダ木工 木製玄関引き戸)
「玄関は通りに面した南面に配置するようにしました。結果、通りからは木製の玄関引き戸が工房の顔となってとても満足しています」
反面、南に面しているゆえ、冬至の季節になると太陽が一日を通して木製ドアに浴びせられて、扉が少し変形して鍵のかかりが悪くなりました。最初はとても心配でしたが、扉を調整することで鍵がかかるようになり、安心したそうです。
「周囲の環境によって変化することがあるのは、木製品も革製品も同じですね」と田中さん。
(南面ですが、生活感が出ないようにと、2階3階には窓を設けていないのが特徴的)
そんな靴職人の田中さんですが、最近ではその技をいかし、屋内用スリッパの販売も行っています。大人用から子供用までご用意。「生活にこだわりのある方、一人でも多くの方に、私のつくったスリッパをお届けしたい」と、インターネットでも販売しておられますので、ぜひホームページ(https://www.honobono-shoe-works.com/)をのぞいてみてください。
(大人用から子供用まで。さらには染色にも豊富なバリエーションを用意しているそうです)
取材のご協力を頂きました田中様。ありがとうございます。
(工房のオリジナルロゴ)
取材協力
h-works(エイチワークス)様
https://www.honobono-shoe-works.com/
使用木製ドア
MIYAMA桧玄関引き戸シリーズ
VHタイプ(ガラス特注・透明ガラス)