築60年の古民家リノベ。再び皆が集まる場所になるように

リノベーション最先端を訪ねて

リノベーションといっても、部分改修からフルリノベーションまで様々です。
建物の状態や、求める住宅性能によっても、コストは大きく変わってきます。

今回、築60年の古民家を耐震性能・省エネ性能ともに最高レベル(※)にリノベーションした物件で、
弊社ユダ木工の木製玄関ドア「超断熱ドア」をご採用いただいたことを知り、見学に伺いました。

※ 耐震等級3相当(許容応力度計算),断熱性能等級7 ともに最高等級

MIYAMA桧玄関ドア(超断熱タイプ ONR4色)

 

思い出の古民家を”超”高性能化リノベーション

工務店社長であり、木製ドアご愛用者さまでもある梅村裕子さんにお話を伺いました。

「性能向上リノベーションのお問合せが増える中で、お客さんに見ていただける空間を作りたいと思っていました」
と梅村さん。

旧事務所の向かいには、半分を倉庫、半分を賃貸住宅として使っている古民家がありました。
この築60年の古民家は、実は梅村さんにとって思い出深い建物でした。

▲ リノベーション前の写真

「この古民家は大工だった祖父が建てた家で、私もかつて長くこの家で暮らしていたんです。そこで、社員みんなと話し合って、『これから私たち、こういう家づくりをしていきたいよね』という理想をとことん追求したモデルハウス兼事務所へリノベーションすることに決めました」

▲ 梅村さんが生まれ育った築60年の古民家、リノベーション前の資料。

「この古民家リノベーションで大切にしたテーマがあります。まずは、トップレベルの新築と並ぶ高い住宅性能で、最先端の快適な暮らしをつくること。そして、皆が集まる場所にすること。そしてもう一つ、古いものをできるだけ残すこと。上をご覧ください」

▲ 高断熱住宅ならではの吹き抜け天井。立派な梁や欄間が素敵です。

「古い柱や梁はすべてそのまま残して、構造的に不足している部分を新しく加え、あらわし(※)で仕上げています。欄間は本来、風をさえぎらず通す役割を持っています。この役割を活かして、手すり部分に用いました」

※あらわし:
構造材を天井板などで隠さず、見せる仕上げのこと。

▲ 真冬でも足元の冷えが無くなり、太陽の熱が家全体を暖める高断熱・高気密住宅。

梅村さんの会社では、全棟 耐震等級3、断熱等級6が標準仕様です。
省エネルギー住宅の普及を目指し、
13年前から住宅の高断熱・高気密化に取り組まれてきました。

しかし60年前に建てられたこの古民家は、
大規模地震が想定されていない時代の「旧耐震基準」、
そして、省エネ性能の基準がない時代の「無断熱」の住宅でした。
減築して構造を見直し、基礎から大幅に補強する必要がありました。

耐震等級

断熱性能等級

「新築・リノベーションどちらを検討していらっしゃるお客さんにも、そのまま見てイメージしていただけるように、新築の基準に合わせた高性能住宅となっています」

「お気に入りの吊戸棚です。このガラスも、古いガラス戸の一部を再利用したものなんです。他にも、この建物には再利用のものが、実は沢山あるんですよ」

 

残せるものを、素敵に残したい

スタッフの皆さんも一緒に、こだわりと見どころを案内してくださいました。

▲ 正面の雨落ち(※)には、古民家の瓦を使用。

「外観は塗装した外壁と、この地域で古くから使われている屋根瓦の色とで『グレーと赤』にまとめています。この古民家では一部、青い瓦も使われていて、これがとても綺麗な青色なんですが、そのまま屋根に使うと統一感を損ねてしまう。それで、こんなふうにお庭で使うアイデアを考えてみました」とスタッフさん。

※雨落ち(あまおち):
雨どいを設けず、屋根から落ちる雨を地面で受けるためのしつらえ。泥はねや雨音を抑える役割がある。

▲ 60年ものあいだ、畳の下で床としての役割を担っていた板材。綺麗に磨き、建具としてリメイク。

▲ 解体作業中に出てきた、立派な杉の天板。昔の職人さんが何かを造ろうとしていたのか、加工跡が残されています。

▲ 勝手口にあえて残された「元お風呂場の壁」。

「すべてを綺麗に新しくしたら、ここが古い家だったことを忘れてしまうのではないか、ということで、勝手口の壁には『元お風呂場』のタイルをそのまま残すことにしました。富士山のタイル絵です。昔はこういうキットがあったんです」とスタッフさん。

「普通だったら、こういうものは捨てられてしまう。どんどん無くなっていきます。だからこそ、あえて残したい物がある。しかし全部を詰め込むと雑多な印象になってしまいます。工夫を凝らしながら、どうやったら美しく活かせるだろうかと、皆で考えながら家づくりをしています」

 

この家が、再び皆が集まる場所になるように

玄関土間を広く取り、地元のお店や作家が出品できるショップとして利用されています。
この場所は、かつては古民家のリビングだった場所です。

「地域の人が集まり、繋がれる、立ち寄ってホッとできる場所があると良いと思い、ショップスペースを設けています。昔はちょうどここにリビングがあって、大勢の親戚や、大工の祖父のもとに集まる職人さんたちが訪れていました。だからこの場所が、またいろんな人が集まる場所になったらいいな、と思ったんです」

思い出の家が、さらにずっと先の未来まで人の集まる場所であり続ける。
それはとても素敵な嬉しいことだと思いました。

そして、梅村さんやスタッフさんの、物を大切にする姿勢が大変印象的でした。
思い出の品物だけでなく、屋根瓦から床板、基礎の石に至るまで、
家の記憶や作り手の記憶が宿っているのだと感じた、あたたかい一日でした。

永く愛用していただける木製ドア造りを、日々追求している弊社ユダ木工。
梅村さんの愛あふれる家づくりを拝見して、とても嬉しくなりました。

 

取材協力
有限会社 梅村工務店
代表取締役社長 梅村 裕子
https://umekou.work/

 

使用木製ドア
MIYAMA桧玄関ドアシリーズ
超断熱タイプ ノルディックレッド(ONR4)色