木製玄関ドアのお手入れQ&A 小割れと雹(ひょう)害による傷

Kさま

入居後一度も塗装をしたことがなく、3年が経ちます。
そろそろ塗装しようと思っています。
色あせはないのですが、最近小さなひび割れが出てきました。
どのようなお手入れをすればいいでしょうか?

一件のお問合せをいただきました。

木は木製ドアに生まれ変わった後も生きています。
木材が呼吸し伸縮を繰り返すと、軽微な割れが生じます。

軽微な割れは、梅雨時期など湿気の多い時期には
木材の膨張によって目立ちにくくなり、
乾燥時期には木材の収縮によって目立ちやすくなります。
木の特性による現象です。

そしてこの現象は、木製玄関ドア設置後の初期段階に起こりやすいものです。
木製ドアは新しい環境に徐々に慣れていきます。

 

今回のお手入れ方法

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ユダ木工

目立つ色あせがないとのことですので、
クリアワックス塗布」でのお手入れをおすすめいたします。
水気や紫外線などのダメージから木製ドア表面を守る、
植物油ベースの透明な塗料です。
クリアワックス塗布の解説動画はこちら

▲ 設置後3年になる木製玄関引き戸

クリアワックス塗布の推奨頻度は、設置条件により大きく異なってきます。
(直射日光や雨がかりの程度、軒や庇・袖壁など)
お写真を拝見すると、軒と袖壁がしっかりとあり
木製玄関ドアの設置に配慮された設計と見受けられます。

直射日光や雨がかりの影響を受けにくい設置環境の場合、
経年変化はゆるやかになります。
写真の木製玄関引き戸は、遠目からでも新品時に近い木のツヤ感が感じられます。

木製玄関ドアの設置に配慮された設計の例

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塗装時期の目安として、撥水効果の確認方法をご案内いたします。
外部表面に指で水を少量散らした際に、
水滴をはじくようであれば、塗装による撥水効果が保たれています。
水が浸み込むようであれば、撥水効果が弱くなっていますので、
塗装の推奨時期となります。

 

雹(ひょう)害による傷

Kさま

雹害で少し傷がついている部分があります。
こちらもクリアワックスで良いでしょうか?
大きな凹みなどはありません。

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ユダ木工

クリアワックスをおすすめいたします。
日焼けや経年変化とともに、少しずつ目立ちにくくなると思われます。
部分的に着色しようとすると、かえって目立ってしまう可能性が高いです。

 

お手入れ後

Kさま

クリアワックスを塗布しました。写真では分かりづらいのですが、ドアの色がワントーン濃く、潤っているような質感になり満足しています。

 

クリアワックス塗布

クリアワックス塗布については、こちらの記事でもご紹介しています。

木は美しくよみがえる。16年前の木製玄関ドア~仕上げ編~